きんつばとどら焼き
地震から1週間ほど経った週末、友人から、お米が届きました。首都圏ではスーパーの品物がない、という報道を見て、送ってくださったのです。幸い、うちはお米の封を切ったばかりだったのですが、なにより、その気持ちがありがたくて、心していただきました。
箱には、きんつばとどら焼きも入っていました。そういえば、彼女の住む城下町は、和菓子屋さんがたくさんあるって言っていたっけ。ずっと前結婚式のプロフィールで、夫の好物にきんつばと書いたことも、覚えていてくれました。
「千葉にだって和菓子くらい売っているのにね」
お礼にかけた電話で、彼女が笑いました。
たしかに、近所のスーパーのテナントにだって、きんつばやどら焼きはあります。でも、地震の後、その前を通っても、まったく買おうとは思わなかったのです。
地震後、食べ物は「主食になるか、どうか」が重要になりました。パンやお餅(真空パック)を戸棚の奥から探し出し、ポテトチップスや、お土産の手焼きせんべいさえ、「炭水化物で、主食!」と分けられました。都内に通う夫にも、万一のためにおせんべいを数枚持たせていました。
そんなときに届いた、きんつばとどら焼き。
甘くて、本当においしかった。お菓子を食べる心のゆとりを取り戻しました。その日から、買い物のとき、チョコレートなどの小さなお菓子も手に取るようになりました。
被災地ではまだ、主食やわずかなおかずで手一杯なことと思います。でも、いつか、みんなが甘いお菓子で、ほっとすることができたらいいな、と切に願います。


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